店主のネタリキ
とある日の昼下がり。
彼は思い付いたなりに散歩を楽しんでいた。
行く宛もなく、道に突き当たればどちらかに折れる。
また、気になる通りがあればそちらを選ぶといった様子。
気付いてみれば、そこはかつて文人が多く出入りし、清遊していたと名高き鶯谷。
現在は駅を中心に谷の上には大きな寺や博物館が点在し、緑の多い風景。
踵を返し谷下に目をやると、様々な人間の欲を満たす小さな街並みが広がる。
駅前には何の目的なのか(ホントは知ってるよ)、送迎車が駅の利用客を待ち構える。
フラリとまた歩き始め、誘われるように彼の歩は谷下へと一歩一歩落ちていく。
小道を彷徨うと、どうやら袋小路のようだ。
引き換えそうとした彼の視線が、一軒の店に止まった。
ごくりと喉をならし、額と首もとの滴りを拭い、その店の戸を滑らせる(確か内開きのドアだった)。
にこやかな店主の表情と、明るい声が客を和ませている。
はあ?退屈な文章を入力してるんじゃないっ!
というわけでVAPE LOUNGE遊人さんにお邪魔しました。
『入りにくい店』とは無縁の明るい外観に明るい店内、和食料理屋のような店構え。
とはいえ初めて訪れたわけではないので、入りにくいわけがないのだが。
リキッドを2本買い求めたうちの一つをご紹介。
店主の山田さんが、「取り敢えずパッケージ見ないでテイスティングしろ」というので、吸ってみると…。
!?っ!!!!!。
なんだろ?この味。
酸味?
・・・うまくリアクションが取れなかった。
イタズラっぽく吸わせてもらったが、内心「ん?悪くないぞ」だった。
ここで誤解してほしくないのは、悪くないだけであって、美味くもないってこと(笑)。
リキッドは甘いものという固定概念が、全く甘くないこのリキッドに違和感を生むのかもしれない。
リキッドパッケージにはApple Vinegarの文字。
酸味好き系女子とかにはアリかもしれない。
待てよ?あそこの店に女子いたな。
それでもレコメンドの棚に並ばないということは…。
いまどき女子にもウケないとうことか。
まあ結果として私は気に入った。
だから買った。ネタになると勧められたせいもあるが。
上手く言語化できないんだけど、メンソールや清涼剤とは違う酸味という刺激を感じる。
米酢とは違う臭みのない酸味。
それなりに満足感があり、いつまでもチェーンできない。
青森とかの『りんご』ではなく、小さい実の青りんご風味がほんのり。
酸味はガッツリ。
清涼剤とビネガーとメンソールの苦みらしきものがメイン。
お店で聞き忘れたので、リキッドのスペックを見てみようとするも注意書きのみ。
抵抗値を上げ下げしてテイスティングしてみる。
デュアル0.3Ω。
因みに前回から少し使っていて、Mirage Evo Sのウィッキングのカットを画像のようにしてみた。
サークル状に巻きこむので、外側を長くする方がやりやすい。
と、感じたのでここで記しておく。
こちらはシングル0.8Ω。
結果は0.8Ωの方が美味しかった。
リキッドの酸味が吸いこむ際に強く感じる、吐くときには清涼剤とメンソールと思われる苦みも感じる。
0.3ΩはDLで吸いこんだため、大口径のドリップチップから沢山のミストが舌に当たり、「酸っぺぇーっ!」。
酸味にリンゴのフレーバーが負けて、印象が酸味ばかり。
0.8Ωはミストが少なく、吸う際より吐くときの風味が強い。
そのため程良い酸味とともに、控えめなりんご風味と清涼感が楽しめる。
最後に誤解なきようもう一度だけお伝えする。
決して美味しいリキッドではない。
揺るぎなく。
以上でーす。