メカニカルModのメカニズム
実際にメカニカルModをどう扱っていけば上手いこと付き合えるのか。
特にフルメカニカルを使うには、自分で情報を集めて自分の知識を確立し、安全対策を使用時毎に怠らないことが使用資格だというのが、私の見解。
当記事は安全性を確認する説明文字量が多くなることをご勘弁。
今の世の中はリスクやクライシスマネジメントばかりに力や金を注ぎ、何かを始める前に批判や危険を取り除くことばかり。
でもそれは裏を返せばそれは、そういうことさえ押さえておけば純粋にそのことに没頭できるということに他ならない。
楽しむためにネガティブを排除しておくことで、それを楽しんでいる間はネガティブを出来るだけ無視できる。
そういうことなんだと、やっていることは同じでも無理矢理転換していく。
長くなりそうですが、確認事項を記載していきます。
メカ運用で何を確認するかというと、回路的にショート(短絡)していないことの確認。
それ以上でもそれ以下でもない。
フローティングタイプのコンタクト構造は使用不可。
メカニカルModはバッテリーを下から強い力でポジティブピンごと押すタイプが多く、そうなるとポジティブピンが引っ込んでしまう。
クリアロに限らず固定式のタイプでないとショートのリスクを負うこととなる。
さらにいうとクリアロはコイルユニットによる電力の推奨値が存在するので、その推奨範囲で運用できない可能性もあるので、美味しく吸う上でもメカ運用は出来ない。
メカニカルModはバッテリーが入り、且つ電気を通す電線も兼ねている。
つまり器自体が電気の通り道となる。
コイル以外のModやアトマイザーの各部は、通電ロスを減らすためなるべく抵抗を低めてある。
コイルを介さず抵抗の低い金属でプラス極とマイナス極を結んでしまうことは、超々低抵抗となってしまう。
バッテリーは構造体の状態(ショートしていたとしても)に依存して電気を可能な限り制御なく出すので、接続不良、ビルド不備などの場合、大きな電気の量を意図せず引き出すことになってしまう可能性がある。
Vapeで使用するバッテリーは大きな電気を放電できるという代償として、過放電による発熱、炸裂などを起こすリスクを持っている。
では具体的に運用していく上でどこに注意するのかを挙げていく。
ショートするリスクが大きい箇所は全部で3つ。
バッテリーの状態を確認
バッテリーの被膜が破れていたり、裂けていたりしないかをチェックする。
裸の状態だと、プラス極のプレート以外は全てマイナス極となる。
バッテリーの底面だけ被膜が開いているのでマイナスと思われがちだが、被膜が覆っている全てがマイナス極。
画像のプラス極の周囲もマイナス極となるので誤解なきように。
バッテリー被膜が破れてマイナス極がModの内側に直に触れてしまうと、一気にショートすることはないかもしれないが、スイッチ無しに通電する可能性がある。
マイナス極とプラス極が常に触れ合っている状態の構造のModだとショートするかもしれない。
そしてもう一点バッテリーのプラス極が凹んでないかを確認しておく必要がある。
新品なら凹んでいることは少ないが、メカを使っていくうちにだんだん凹んでいくことがある。
いつも使っているから大丈夫と、確認を怠らないことも大切なのだ。
凹みを確認する理由に関しては後述してあるのでどうぞ。
アトマイザーとバッテリーの接続部を確認
コンタクトの構造は現在流通している殆どのModは、ダイレクトコンタクトと510接続の2種類に別れる。
ダイレクトコンタクト(ハイブリッド)
アトマイザーとバッテリーを直接触れ合わせるタイプ。
プラス極とマイナス極を繋ぐパーツを減らせるので、通電効率が上がるのと、コンパクトな筐体を作れる。
パーツを減らしてはいるのだが、Mod自体が安全性を若干犠牲にしているので、ユーザーがその安全性を確認しておく必要がある。
厄介なのは、ショートしているかどうかを事前にチェックするような計測器が一般的になく、実際に正しくコンタクトしているかを視認できない。
だからこそ事前に大丈夫であろうということを二重にも三重にもチェックする。
ダイレクトコンタクトを運用するうえで、間違ってはいけない組付け手順がある。
バッテリーをモッドに入れる前に必ず!アトマイザーを設置しておくこと。
アトマイザーを外す場合は、バッテリーが入ってないことを必ず確認すること。
簡単にいうとMod単体にバッテリーを装着することはリスクが高いってこと。
Mod単体の中にバッテリーを仕込んで、バッテリーのプラス極とマイナス極がMod内部に触れている場合、ショートサーキットの回路が成立してしまい、スイッチと同時に大電流が流れることになる。
スイッチさえ押さなければということなのだが、その後アトマイザーを組み付ける際に不意に押してしまう危険性があるし、組む順番を変える行為に何のメリットもないのに余計なリスクを負う必要性がない。
分かっていてもやってしまう例として、アトマイザーのみ交換する際にうっかりアトマイザーのみ外してしまいがち。
気を付けて運用しよう。
ダイレクトコンタクトの上面は穴が開いてネジの溝が切ってあるのみ。
単純な構造ではあるが、出来るだけ厚みを無くし、強度と通電性を保つという難題を担っている。
バッテリーのプラス極はアトマイザーのポジティブピンとのみ触れている状態を維持しなければならない。
他の部分は全てマイナス極なので、他の部分と触れさせるとか、ポジティブピンが届いていない状態を作らないようにする。
アトマイザーのコンタクトピン形状を確認する必要がある。
右画像だと全くポジティブピンが出ておらず、ネジが切ってあるマイナス極がバッテリーに触れてしまう可能性があるので使用できない。
右のようなアトマイザーを使用すると、アトマイザー内のビルドしたコイル(ワイヤー)をショートカットしてしまう。
少しでもピンが突き出ていれば本来ならいいのだが、バッテリーのプラス極が凹んでしまっている可能性もあるので、少しだけだと心もとない。
アトマイザーのポジティブピンの突き出し量が僅かな場合は、バッテリー側のプラス極が凹んでないかもチェックする必要がある。
次にModに装着した際にちゃんとバッテリーのプラス極に、アトマイザーのポジティブピンが届いていることを確認する。
特にダイレクトコンタクトはベテラン勢でも毎回チェックはナーバスだし、どんなに気に入っているアトマイザーでも、ポジティブピンが突き出ていないものは基本的には使用しない。
510接続
そもそも510というのは接続部のサイズの呼び名なのだが、なぜこのようなネーミングになったかは謎。
ダイレクトコンタクトとかハイブリッドコンタクトと比べてダサくない?英語では何て言うのかな?ファイブテンコンタクトかな?
でもそーなんだから仕方ない。
この接続方法は基本的にMod単体にバッテリーを挿入しても回路として成立しないのだが、フルメカニカルを扱っているということ自体の緊張感は持っていた方が良い。
ダイレクトコンタクト同様にバッテリーを先に入れるメリットが何一つないことから、アトマイザーを先に装着する癖はつけておきたい。
ダイレクトコンタクトとの違いとして、アトマイザーのポジティブピンとバッテリーのプラス極だけを確実に繋ぐためのパーツが入る。
その周りを絶縁体で覆い、安全性を高めている。
この二つを確実に繋ぐということは調整機構が必要で、少なくとも2つ以上のパーツが挟まる。
通電効率は落ちるが、個人的に体感したことは一度もなく、私はコンタクトの構造でModを選ぶ基準は持ち合わせていない。
この構造だけでも厚みにして約1.5㎝。
アトマイザーのビルドが正常かを確認
フルメカのModに乗せるアトマイザーは基本的にリビルダプルアトマイザー。
自身でコイルを巻いて、デッキに組み付けて、ΩメーターやテクニカルModで空焚きして、コットン詰めて、キャップを被せて、ショートしていないか、使用バッテリーの範囲内の抵抗値であるかを確認しておけばOK。
出来ることなら複数の別のΩメーターやテクニカルModで確認すればPerfect!
安全であると確認できたならばメカでも安全ということになる。
〈手持ちのフルメカニカルを紹介〉
手持ちの少ないフルメカModを少しだけ。
ボトムスイッチのスタイル。
フルメカニカルのスイッチは通電効率を高め、多くの電気が通るので大きく設計されている。
サイドスイッチも同様に大きなスイッチで力を入れて押すための配慮とも思える。
短けりゃいいってもんでもない。
フルメカニカルModは利便性よりデザインが重要だと思う。
全体のフォルムが大切で、長いModに短いアトマイザーでシュッとした印象に仕上がる。
短いタイプにはタンクなどの高さのあるアトマイザーも合わせられる。
18350のカワイイヤツ。ダイレクトコンタクトにボトムスイッチという硬派なスタイル。
〈結び〉
一般的にフルメカニカルは安全性を犠牲にしているといわれるけど、私はちょっと違う意見。
確かにテクニカルModと比べればそうであるが、安全性を何かと比べる必要性が無い。
フルメカにはフルメカの利点がある。
それはフルメカは全ての箇所の安全性を確保した時、完璧な状態となる。
物理的に絶対にショートしていない、絶対に接続不備が無い状態に持ち込める。
メカニカルの醍醐味はデザイン。手作り感(殆ど手造りではない(^^ゞ)
テクニカルModでは味わえないハリボテじゃない金属の塊感。
彫金、切削、イラストの美しさなど。
次にメカニカルを説明する記事を出すとすれば、どのように持ち運んでいるかとか、保管しているかなどをやってみようかな。
以上でーす。